〒125-0042 東京都葛飾区金町6丁目4番3号
金町メディカルモール内102
TEL:03-3627-1300

肛門外科

肛門外科とは

肛門外科

肛門外科はおしり、とくに肛門周りに関してお悩み、あるいは疾患を持つ患者様が対象になります。なかでも最も多いのが痔です。ひと口に痔と言いましてもタイプは様々で、痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(肛門周囲膿瘍)などがあります。

痔の主な症状には、出血、痛み、肛門の痒み、残便感などがみられます。治療では、保存的療法や手術療法、およびその中間的な治療法などがあり、診断を正確に行ったうえで、それぞれの患者様に最も適した方法を選択します。なお当院では、痔の日帰り手術も行っていますので、手術内容につきましてもお気軽にお問い合わせください。

痔という病気は、3人に1人ほどの割合で罹患しているとも言われ、決して珍しい病気ではありません。多くの方はデリケートな部分なだけになかなか打ち明けにくいということもあるかもしれませんが、痔の症状には直腸がんや肛門がんなど、重篤な病気が隠れていることもありますので注意が必要です。決して恥ずかしがらず、勇気を出してご相談ください。

当院で日帰り手術が行える主な痔の疾患と手術療法

痔核(いぼ痔)

痔核とは

いわゆる「いぼ痔」のことを痔核と言います。様々なタイプのある痔の疾患の中で、最も多くの患者様がいるとされる病気です。肛門付近の血流が悪くなることで鬱血をきたし、さらに静脈がこぶ状に膨らんでしまった状態が痔核です。症状としては、排便時に出血がみられたり、肛門周囲にイボのようなものができたりします。発症する場所によって、内痔核と外痔核に分けられます。

内痔核について

内痔核とは、肛門の歯状線(直腸と肛門の境)より内側に生じた痔核です。初期の症状は出血する程度で、痛みをほとんど感じないまま進行していきます。その後進行していき、さらに痔核が大きくなると、脱出(脱肛)するようになります。初めのうちは脱出をしていても指で押し込めば戻りますが、さらに進行すると戻らなくなり、痛みが伴うこともあります。なお、内痔核は進行具合に応じて、以下のように4つのタイプに分類されます。

内痔核の分類(「ゴリガー分類」による)

1度
排便時に肛門管内に膨らんでくる程度の痔核
2度
排便時に肛門外に脱出するものの、排便が済めば自然に戻る程度の痔核
3度
排便時に脱出し、指で押し込まないと戻らない痔核
4度
常に肛門外に脱出している痔核

※一般的には「3度」以上で、手術の適応とされています。

内痔核の治療法について

治療には保存療法や手術療法、保存と手術の中間と言われる硬化療法やゴム輪結紮(けっさつ)法があります。どの方法を選択するかは、医師が患者様の症状や社会的な状況などを考慮に入れて、総合的に判断します。

保存療法
規則正しい排便習慣(便秘の改善や排便時の長時間のいきみを避ける)をつけるようにするのが一番の治療法になります。症状によっては経口薬や注入軟膏・坐薬を使用します。お風呂に入って温めるのも効果的です。
ジオン注射硬化療法(ALTA)硬化療法
内痔核を切らずに注射する硬化療法で、1つの痔核に対して4ヵ所注射を行います。
同療法は、脱出を伴う内痔核に対してジオン注という注射を患部とその周囲に注入し、痔を養っている栄養血管の血流量を減らし、さらに痔の中の血管を硬くして、弛んでしまった直腸粘膜部に癒着・固定させる方法です。
これは手術でしか治せなかった進行した内痔核(3度)でも治療効果が期待できます。肛門の痛みを感じない部分に注射するので、痛みが少ないのも利点です。施術時は、局所麻酔下に行い、日帰り治療が可能です。
硬化療法
内痔核にパオスクレー(フェノール入りのアーモンドオイル)という薬液を注射することで、静脈叢を硬くする治療法になります。出血を止める効果があります。
手術療法
結紮切除術
脱出した痔核を切除し、出血を予防するため根部を結紮する施術方法です。
PPH(procedure for prolapse and hemorrhoids)法
PPHという自動吻合器を使った痔核根治術で、直腸の粘膜3~4cmをPPHでドーナツ状に切除・縫合する方法です。奥からの血流を遮断し、肛門から脱出したイボ痔をつり上げる効果があります。直腸の粘膜には痛みを感じる神経が無いため、切除・縫合しても痛みは生じず、短い時間で手術は終了します。
ゴム輪結紮法
鉗子(かんし)で内痔核を掴み、その根部を専用の輪ゴムで縛って壊死・脱落させる方法です。高齢者や手術により高リスクが考えられる方、寝たきりの方にも可能な治療法です。

外痔核について

外痔核とは、肛門の歯状線の外に生じた痔核です。激しい運動をしたり、急に重いものを持ったりした後などに突然血の塊が肛門に生じ、腫れて痛みます。下痢や便秘、飲酒や冷えが原因のこともあります。

軟膏や座薬、あるいは内服薬といった薬物療法で治ることもありますが、症状が長引いてしまった場合や大きくて痛みが強いものは切除するか、血の塊を取り除く必要があります。

裂肛(切れ痔)

裂肛とは

肛門上皮が軟便や下痢が原因で切れてしまい、痛みや出血を伴うのが裂肛で、切れ痔とも呼ばれています。

裂肛は主に傷は浅く、排便時に出血や痛みが生じるものの数日で回復する急性裂肛と、裂肛を繰り返すことで傷が深くなることで、潰瘍になる慢性裂肛の2つのタイプがあります。なお慢性の場合は、痛みが持続し、傷の内側に肛門ポリープ、外側にイボを形成することがあります。

手術療法について

治療法としては、薬物療法による排便のコントロール、軟骨や座薬による治療になりますが、慢性裂肛の場合は手術療法になることもあります。手術療法では、軽度であれば裂肛の原因と言われている肛門括約筋を一部切除します。重度と診断された場合は、裂肛が原因で発生した肛門ポリープやイボなども切除します。また、肛門の狭窄が進んでいる場合は、切除部分に皮膚を移植します。

痔瘻(肛門周囲膿瘍)

痔瘻とは

痔瘻は、直腸・肛門周囲膿瘍(直腸・肛門部とその周辺の皮下、粘膜下、筋間などに膿が溜まった状態)が自潰(はぜること)したり切開排膿されたりして瘻管(トンネルのようなもの)ができた症状を言います。

病状によって、皮下痔瘻(1型)、筋間痔瘻(2型)、坐骨直腸窩痔瘻(3型)、骨盤直腸窩痔瘻(4型)に分類され、それぞれがさらに細分化しています。

手術療法について

痔瘻の治療は手術が基本です。手術では、痔瘻の入り口である原発口の切除と感染の原因となった原発巣(肛門腺)の切除、そして適切なドレナージ(膿や浸出液などの排液が通る逃げ道)の作成が重要になります。患者様には、日帰り手術が適切かどうかは、丁寧に診察したうえで判断します。入院による手術が必要となった場合は、適切な医療機関を紹介します。

クリニック概要About us

診療科目
胃腸内科・肛門外科・血管外科・乳腺外科
診療所名
小泉胃腸肛門乳腺クリニック
住所
〒125-0042 東京都葛飾区金町6丁目4番3号
金町メディカルモール内102
TEL
03-3627-1300
休診:火曜・日曜・祝日  ※予約、手術のみ
診療時間
9:00〜12:30 -
15:00〜18:00 - - -